怪物でオリジナルアニメーションなアニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の怪物でオリジナルアニメーションな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月28日の時点で一番の怪物でオリジナルアニメーションなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.7 1 怪物でオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
KUBO/クボ 二本の弦の秘密(アニメ映画)

2017年11月18日
★★★★☆ 3.8 (25)
109人が棚に入れました
 三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。 追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。

声優・キャラクター
アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人形、細工に魂を宿す

吹き替え版を配信レンタル視聴。

海外制作会社がストップモーションで構築した
封建時代の和風ファンタジー世界を舞台にした冒険活劇。


西洋人が好奇の目で日本を面白おかしく取り上げた
軽薄な諸作品とは一線を画した良品だと感心しました。

万物には魂が宿っている。意志を込めれば物に命を吹き込むこともできる。
日本という対象を咀嚼し、その精神性の深い所まで掘り下げて行く。
それらを、人形やセットを多角的に、丹念に一コマ一コマ撮影して映像化することで、
キャラクターや世界観を躍動させる撮影技術の根幹と共鳴させる。

こうして始まった折り紙に三味線の音色で紙細工としての命を与える少年の冒険譚。
結果、実現した映像美には目を見張る物がありました。
人形劇の弱点である表情描写も多彩なパーツで見事に表現されていて驚かされました。
あまりにも緻密で、時々、最近の海外CGアニメは綺麗だなぁ~といった感じで、
本作がストップモーション・アニメであることを忘れてしまう程ですw


永遠は完璧で不変だが冷淡。命は不完全で有限だけど温かい。
命は尽きても、他者の思い出となって継承されていく。
物語はいつか終る。けれどキチンと締めくくることで新たな物語が始まる。

物にも命を宿すことで、去りゆく存在の形見となり得る。
灯籠に願いを込めれば、刹那、死者との再開の夢も垣間見えるだろう。
ただ、それすらも永遠ではない。形ある物はいつかは壊れる。
だが、そこからまた新しい物が生まれ、魂が宿り、想いは連綿と続いていく。
かの地では魂を持った有限の万物が語り出すことで、物語が動き始めるのだ。

本作の撮影もまた、被写体となった多数の人形、道具が、
各々受け継いだ役割を完遂し、次にバトンタッチしていく
果てしない物語のリレーにより成立しています。
こうした部分でもストップモーションと日本が
共有する精神性が伝わり、感嘆の溜息が出ました。
特にEDアニメーションにて、一つの物が次々と変化し物語を紡いで行く演出に、
その真髄が表現されていたと思います。

決してネタに困窮して、奇をてらって日本に手を出したのではない。
ストップモーションの心技を極めた先に
万物に神が宿る日本の精神性と鉢合わせた。
日本である必然性を終始感じた有意義な鑑賞でした。


私も精神を疎外し、能率を優先する現代物質文明に毒され、
墓参りとかネット墓地でいいんじゃないか?
などと自堕落な戯言をのたまう今日この頃ですがw
本作を観ていると、やっぱり命ある物は大事にしないといけないな。
祖先には感謝しなければならないな。
と日本人として正気に戻った気分になります。

1週間の平均制作尺3.31秒。制作期間94週。途方もない時間を費やしたことで、
人形やセットに取り憑いた魂が、日本人の心の琴線にも触れる逸品です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

生まれながらの魔力を持つ少年クボ

 大昔の日本を舞台にした米国人による人形絵巻、キャラは日本人離れした顔立ちだったです。日本の村などほかの森、城などを含めどちらかというと西遊記を思い起こすような、不思議な世界観に見えたです。
 字幕上映で見たです。劇場CNでも字幕で英語の方がこのアニメをリアルに楽しめると思ったです。
 何といっても最初から最後まで三味線の音が、印象に残ったです。日本の弦はでてきたけど、秘密というかあまり全体的な存在の薄さがある感じです。

 始まりからどこか謎めいたナレーションは、いかにもKUBOが始まるという感じのものだったです。背中に赤ちゃんを負ぶった一人の女が小舟に乗り海を渡り、モーゼのように海を裂き進む姿は、真に迫っていたです。それが、クボと母親なのだが・・・・。この時からクボは、片目だったです。

 その数年後クボは、村に稼ぎに出て折り紙に命を与え、鎧武者や怪物を使って三味線を弾きながら、村人に物語を語る姿がとても良かったです。生まれ持って、妖術だか、魔法を持っているクボに神秘的なものを感じたです。にしても、折り紙でサムライをはじめ作れることは、どうやって折るのか?興味がわいたです。

 この後に起こる、クボを狙う妖怪?の出現から始めり、母の命と引き換えに木彫りのサルに命が与えられ、サルと共に月の帝を倒すための三つの武器を探す旅が始めるのです。
 途中、元サムライだと名乗るクワガタも仲間に加わるです。あと鳥でもいれば、最遊記なのだがです。
 武器の剣を手に入れるときの、巨大ガイコツと対峙する久保たちも見所です。

 進むうちに、サルの正体、月の帝と母の関係、母と父の出会い、クボ出生の秘密、クワガタの忘れた記憶に何があるのか?、三つの武器がそろうとき月の帝との対決が待っているのです。
 例え父と母がこの世にいなくても、クボの中に親子の絆は断ち切れず、最後に奇跡を起こす様は、このアニメを思わぬ結末へといざなったことが良かったです。三味線EDも良かったです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「パラノーマン」以下、「コラライン」以上。こんな日本観もいいじゃない。

大傑作「パラノーマン」のライカがおくる、日本を舞台にした新作と聞いて喜び勇んで見に行きました。結論は、「パラノーマン」以下、「コラライン」以上、即ち大傑作じゃないけど良作。あと、海外の作品でここまで日本趣味をちゃんと描いた作品は初めてかも。


 ライカの映像の凄さは、今までの作品でわかっていたが、本作のポイントは大俯瞰の景観と、敢えて人形ぽさをのこしたキャラデザインだと思う。人形アニメというと、小さい世界を映した小さい物語になりがちだが、本作では自然の圧倒的な景観を行く主人公たちという素晴らしいショットが無数になる。


 そしてキャラデザは、「パラノーマン」の時点で3Ⅾアニメに近い漫画っぽい整ったデザインがすでにできることが明らかなので、本作ではわざと人形ぽさをのこした気がする。アニメーション全般にもいえることだが、人形アニメのポイントは何か?。それは命無き物に命を吹き込むことではないだろうか?。その効果をより発揮するために、敢えて無機物感を残す選択をしたのではなかろうか?。


 他の見どころだと、本作はとにかくアクションが多い。人形アニメのアクションというと、スラップスティックなコメディーチックな物が多いけど、本作はスタイリッシュで息を呑むアクション映画の醍醐味を味わえるというウルトラCを成し遂げているのだ。まさに主人公の口上の「瞬きするなら今のうち、一瞬たりとも見逃すな」である。


 ストーリーは、正直言って詰め込みすぎた感があるのが惜しい。短いアニメ映画の枠内で、仲間との出会い、三つの武具を巡る冒険、謎の解明、決戦と色々入れすぎちゃってそれぞれの要素が少し薄い、あと、直前に「ギフテッド」見ちゃって、向こうも親子愛映画で、しかも向こうの方がその要素に絞っててより上手く描けてたので少々見劣りした。


しかし、物語を巡る物語という私好みなテーマは非常に良かった。クライマックスは涙腺にくるものがあった。とりあえず本作を見た人に言いたいのは、これでライカを知ったなら前作の「パラノーマン」を見てくれ!ということのみ。ギャグも感動もこっちよりハッキリ申し上げて上。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

66.3 2 怪物でオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
星を追う子ども(アニメ映画)

2011年5月7日
★★★★☆ 3.6 (648)
3191人が棚に入れました
ある日、父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄。誰かの心がそのまま音になったような唄を、忘れられずにいた少女アスナに訪れたひとつの出会い。お気に入りの高台に向かう途中、異様なケモノに襲われたアスナはシュンという少年に助けられる。アガルタという遠い場所から、どうしても会いたい人と見たいものがあってやって来たと語るシュン。2人は心を通わせていくものの、突然シュンはアスナの前から姿を消してしまう。そして聞かされる哀しい知らせ。それを信じられずにいたアスナは、学校の新任教師モリサキから地下世界の神話を教えられる。そこはこの世の秘密が隠されたあらゆる願いが叶う場所で、アガルタとも呼ばれているという。そんな中、アスナの前にシュンに瓜二つの少年と彼を追う謎の男たちが現れる。男たちの狙いは、アガルタへの鍵であるクラヴィス。追いつめられた少年とアスナの前で、ついにアガルタへの扉が開かれる。そこでアスナは、男たちのリーダーが亡き妻との再会を切望しアガルタを探し続けていたモリサキだったということ、少年がシュンの弟シンだということを知る。アガルタへの入り口を目前にして、アスナはある決意をする。「もう一度、あの人に会いたい」。アスナ、モリサキ、シンの3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る―。

声優・キャラクター
金元寿子、入野自由、井上和彦、島本須美、日高里菜、竹内順子、折笠富美子

あくせる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

試写会にて拝見。

先日行われたよみうりホールにおける試写会に参加してきました。

公開前だからネタバレできないギギギギギ。

でも、公開前でも話せることはたくさんある。
作品のテイストとして今までの新海誠さんと言う監督のイメージとは一味違う感じを見終わると受けます。
ですが、試写会後時間が経つと実は新海誠さんらしいのではないだろうか?
そんな気持ちがムクムクと湧いてきました。

新海誠さんと言われてどんな映画を思い出すでしょうか?
映像美で思い出す方が多いと思います。
切ないストーリーと言うこともあると思います。
人によっては鬱展開という表現をするかも知れませんね。
私にとっては出会いと別れのストーリーだと思っています。

この作品から感じる映像のフレーバーは確かにジブリよりかもしれません。走り駆けて飛んで冒険して未知と出会う。
少年と少女の出会いも、大人の対応もジブリ的かもしれませんね。
ただし、ジブリ的と言うのは普遍の少年少女へ向けたアニメとしてのテイストを指すくらい広いことだと思うんですよ。

ある部分を取り上げてジブリ的、と言うのなら全てがジブリに組み込もうと思えば可能です。
逆にそれだけ原風景にジブリアニメが入ってる人が多いのでしょうね。

私がこの作品にジブリ的なものを感じたかと言うと……実はノーです。
実に良い意味のアニメ的な要素が多々あります。
そして、それ以上に新海誠と言う監督の良さが表現されてると思うのです。
映像の質と言うのは、自体の綺麗さを如何にうまく表現するかです。映像を美しく作り、それを効果的に表現する。
この作業において日本国内のアニメ映像としては抜群の映像美でした。

そして、ストーリー。
凄く丁寧な作りでした。
私は以前映画の仕事をしていたもので、試写中(上映中)でも映像の尺の長さが反射的に分かります。
そして、今まで見た中で一番丹念に物語のスタート地点を説明していきます。私個人の感覚としては「あれ?これ尺大丈夫?」という感覚が鑑賞中に訪れました。
けれど、物語の大きな展開が訪れ、加速して、最後のセリフを聞いた時にストンと落ち着きました。
「ああ。そっか。これはこういう物語でこの一言が俺は聞きたかったんだな」と思い非常に納得すると同時に映画を思い出して「楽しい二時間だったなー」としみじみと思いました。
表現の手法と言う意味では実に大勢の方に見てもらえるアニメに。
テーマとしては相変わらずの新海誠さん。
そして、書きながら気づいたのですが「新海誠」監督作品について回る「新海さんらしさ」と言う物表現が違うだけで相変わらず存在しました。
余韻と間がないのではなく、余韻と間がある場所が違ったんですねきっと。

作品のテイストやスタイルを変えずにさらに大勢の人々を楽しませる作品として、進化してます新海誠監督!
今までのファンの方も、今まで未見の方も是非劇場で楽しい時間を過ごしてください。

#実際試写会の客層の多様さは驚きでしたね。
#ネタバレは自重します。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

チヒロ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

試写会にて観てきました。走るんですよ!?新海さんの作品でw

試写会で一足先に観てきました!おもしろいです! 驚きです!


今までの新海さんの作品はすべて観てきましたが、
この作品は良い意味でおどろかされました。

なんというか、新海さんの作品って、余韻とか間とか、
音のない情景をメインに扱っていた作品が今までは中心でした。

しかし今回の作品は、そういった余韻などの要素がメインではなく、完全なるアニメーションになっていました。要は伝え方が変わって、情景ではなく登場人物の行動を通してメッセージを伝える普通のアニメーションの手法にチャレンジしている感じです。

だって走るんですよ!?新海さんの作品でw


で、よくジブリっぽいと言われていましたが、確かにそういった部分はあります。

だから今までの新海さんの作品の雰囲気そのままではなかったので、
最初は若干の戸惑いがありました。

が、、そんなのは一瞬!  ていうか、そんな事どうでも良くなったw

すぐにおもしろくなって引き込まれました! 魅入ってしまいました!


今までの作品では絶対に考えられなかったバトル要素もあったのですが、相変わらずの神作画で描かれていて、大迫力ですw

約2時間あったのですが、ホント一瞬で終わってしまいましたね。


ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫と、これぞジブリっていう感じの作品が最近ずっとありませんでしたよね。

今回の星を追う子どもは、まさにそれに変わるアニメかもと感じました。

もしかしたら、宮崎駿がいなくなった時に、あの路線を引き継ぐのは新海誠かもしれない。

そう感じさせるとても楽しい2時間でした。


個人的には、今までの新海さんのような作品も観たいと思う部分もありますが、表現の仕方が変わっただけで扱われているテーマは相変わらずの新海誠です。


また背景が相変わらずとてもキレイで、印象的。

子どもから大人まで、誰にでも楽しめる作品だといろんな記事に書いてありましたが、確かにいろんな人が親しめる名作アニメだなぁと思いました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

campanule さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新たな新海ワールド!

試写会に行ってまいりました!
今までの新海さんの作品とは一線を画す、スピード感溢れる作品に仕上がっています。

あらゆる意味でジブリ作品へのオマージュと受け取りました。ジブリ黄金期を彷彿とさせる、メジャー感が半端じゃありません。
秒速を好きな人には、いろんな意味で衝撃を与える事でしょう。

作画は相変わらず壮絶なまでのクオリティ!
音楽、BGMも新海作品ならではの荘厳なイメージ。
心理描写は繊細で、生々しい。
テーマはシンプルで深いです。

今までの新海さんのファンには賛否両論あるだろうけれど、個人的には雲の向こうや秒速を作った新海さんでなければ生み出せないアニメだと思いました。

公開後はもう一発いきます!
深読みしたいシーンは満載です!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

77.7 3 怪物でオリジナルアニメーションなアニメランキング3位
甲鉄城のカバネリ 海門決戦(アニメ映画)

2019年5月10日
★★★★☆ 3.9 (316)
1668人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。 極東の島国である日ノ本で、カバネの脅威に立ち向かい、前線をくぐり抜けている分厚い装甲に覆われた蒸気機関車(通称、駿城)の一つ甲鉄城で生き残った生駒たちは、カバネと人の攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」で玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てていた。そんな中、生駒は、海門の地のカバネたちは統制され、集団行動をとる特徴を持っていることに気づく。そのことを連合軍へ報告を行う生駒だったが、相手にされず、逆にカバネリであることから連合軍から虐げられてしまう。怒りに身を焦がし冷静さを失った生駒は単身で敵地へ乗り込むことを決意する。一方無名は、これまで自分を支えてくれた生駒に対してこれまでとは違う感情が芽生え始めていた。しかし、そこへ生駒が単身で敵地に乗り込むつもりであるという知らせが飛び込んでくるーー。新たなカバネとの戦い、そして、無名と生駒の運命はー!?

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎
ネタバレ

どどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

完結ありがとう

紆余曲折あったけどうつくしく完結しました!

このアニメのテレビ放送版、おもしろいのにな~~~からの急減速でおもしろいのになこのアニメ…と複雑なおもいを抱かされてました。

そんでこれ海門決戦おもしろいやん!!!!!ってなりまして。
{netabare}
なんといっても途中になっていた生駒と無名のおはなし。
これに決着がついたのがもっとも良いことです。
ほぼほぼご成婚おめでとうと言って良いでしょう。

そしてまた良いこと、また惜しいことはEDの意味するところです。
EDの踊り、いわゆるダンスEDというだけではなく、お祭りっぽい雰囲気です。
お祭りっぽい踊りといかにも平和~っという雰囲気の里を交互に映していくわけで、たぶんハッピーエンドを意味しているのだとおもいます。
このアニメはいわゆるポストアポカリプスというジャンルですが、ハッピーエンドを向いていたはずです。
パニックや緊迫感を主体に置く同ジャンル作品とは明らかに違っているようにおもえます。。
テレビ版中盤でも直接的にそのことを言うシーンがありますし、どのレベルのハッピーを目指していたのかわかりませんが(地上からカバネ消滅とか果たしてあったのか)、そういう世界観でこの作品のEDは、ハッピーエンドを迎えたという意味だと受け取ってよいのではないでしょうか。

惜しいのは、そうだとしてその道筋があいまいになってしまったことです。
伏線の張り方と今作の急ぎ足な部分などから、2クール目か、もしかしたらもっと長いスパンで説得力のあるハッピーエンドを目指すつもりだったのかもしれません。
それが見られればもっと良かったのは確かです。

メインストーリーはすこし地味ですが、単独のお話を持つ敵ではなく生駒のお話の延長としての敵だったので、「生駒と無名のおはなし」としてのカバネリにおさめるはピッタリだったように思えます。

{/netabare}
とにかく、生駒と無名の2人の話。
これを楽しく、よくまとめたのは素晴らしいことです。
雑なところも無いわけではありませんが、見せるべき部分と流す部分の選択肢は正しいものでした。
これが重要なことです。
2人が好きでこのアニメを見ていた人には満足できる作りになっているはずです。

ここまで見れてよかった。
ありがとう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その旅路の先に、新たな運命。

本作は、2016年の春アニメでTV放送された「甲鉄城のカバネリ」の続編となります。
TVアニメ放送後に総集編の前後編が上映されましたが、そちらは未視聴です。

劇場では2019年5月10日から2週間限定で上映されるようですが、私はNetflixで視聴しました。
劇場での上映と配信が同時に行われることってあるんですね。
最近、Netflixに入っていて良かったな…と思えることがちょくちょくあります。

一番嬉しいのはNetflixオリジナル作品のバリエーションが増えてきたことです。
それと最新のTVアニメも放送されているので、万が一、録画に失敗したとしても追いかけ視聴ができるのもメリットの一つだと思います。

カバネリ…といって真っ先に頭の中に浮かび上がるのが無名の存在です。
TV本編では色々と大変だった彼女でしたが、甲鉄城の旅はまだ終わっていなかったのです。
生まれ故郷を目指す一行が辿り着いたのは、日本海に面する「海門(うなと)」という廃坑駅でした。
ここでは海門を奪取すべく、人間とカバネの激しい抗争が繰り広げられていたんです。

ここを通らなきゃ故郷に帰れない…
甲鉄城に乗った菖蒲らは、カバネを撃退する連合軍に参戦することとなり…物語が動いていきます。

アニメーション制作が「WIT STUDIO」で監督が荒木哲郎さんといえば「進撃の巨人」と一緒ですよね。
カバネが人間を襲う様を見ていると、お互いの作品の共通点に成り得ると思いました。
そしてこの作品でも見惚れてしまうほど圧倒的なのが、戦闘シーンにおけるキャラの躍動感です。
本作品は劇場版で特に気合いが入っていたからでしょうか…
無名の…生駒の戦闘シーンの迫力は半端ありません。

きっと、何もかもがTV版の延長だったら、レビューで書けるのはきっとこのくらい…
でも、TV版とは大きく違っている点がこの劇場版にはしっかり用意されていたのです。

それは、ベタですが無名と生駒の関係です。
これまではお互い信頼関係にあって、カバネとの戦いにおいて背中を預けられる間柄でした。
でも、この劇場版ではもう数歩気持ちの面が進んでいるんです。

特に作中における無名と、炊事や子守りに精を出している鰍との会話シーンがあるのですが、見方によってはコイバナに見えちゃったり…
無名…戦闘スキルの高さとカバネに対する残忍さは相変わらずですが、こと生駒の話になると態度が急変するところも、彼女の可愛らしさに拍車をかけています。

そりゃそうだと思います…
あれだけの激戦と苦しい状況を切り抜けてきたのですから…
そんな気持ちの変化が戦闘や普段の言動にどの様な影響を及ぼすのか…
この作品の見どころの一つだと思います。

それと根っこの部分の共通点は忘れられません。
正直カバネリになって良いことなんてあったでしょうか…?
強くなったかもしれない…
でも所詮はどっちつかずの中途半端な存在である上、いつカバネ化するか分からないリスクだって孕んでいます。
それでも、無名と生駒の二人がカバネリだったから乗り越えられた局面だってありましたし、二人にしか感じられない世界を共有することだってできるんですから…

でも、そのくらいの恩恵はあって然るべきなのかも…
甲鉄城に乗っている時間が長くて忘れていましたが、カバネリって人から虐げられる存在だったんですよね。
様々なリスクを想定して進言してもまともに取り合って貰えないし、挙句の果てには諸悪の根源みたいな存在を受ける始末…
心が折れても仕方無い場面だってゼロではありませんでした。

ですが、軍人や民衆が二人をどの様に評価しても、これまで一緒に苦難を乗り越えてきた甲鉄城の仲間は、二人に対する疑念など一点の曇りもありません。
最初は彼らだって違ったのに…甲鉄城で過ごした時間と揺ぎ無い実績が、絶対的信頼に値することを彼らは知っていますから…

海門での決戦の行方…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
個人的には、その後の…無名の行動の方がよっぽど気になりましたけどね…^^
あんな真っ赤な顔の無名…きっとそうお目にかかれるモノではないと思いました。

主題歌は、EGOISTの「咲かせや咲かせ」
個人的に、この楽曲は結構感慨深かったです。
何故なら、この楽曲の背景で流れているのは、甲鉄城の乗組員…無名、菖蒲、鰍に生駒ら男性陣も加えたヨサコイなんです。
彼らの旅が終わったかどうか…私には分かりません。
ラストの風景に、それらしさも感じられましたが、日ノ本の殆どを覆い尽くしているカバネの影響はそう易々とは無くならない事でしょう…
それでも、笑顔でヨサコイが踊れるのは少なくても今は平和だから…にほかなりません。
束の間かもしれない…これからどんな試練が待っているかも分からない…
何せ伏線が回収しきれていませんから…
けれど、ここで見せて貰った笑顔は本物だったと思いました。

願わくば、みんなのその笑顔が少しでも長続きすることを…
みんながこれから手にするのは人殺しの道具ではなく、鳴子のような人々を笑顔にする道具でありますように・・・

投稿 : 2024/12/28
♥ : 27

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

完全新作、生駒たちの新たな戦い。

 産業革命によって時代が大きく変化しようとしていたころ、カバネと呼ばれる怪物が世界を支配する。
 極東の島国・日ノ本で装甲蒸気機関車・甲鉄城に乗り込んだ生駒たちは、激戦をくぐり抜け日本海に面したとりでの廃坑駅「海門」にたどり着く。
彼らはカバネと戦う民と手を組み、カバネ撃退の策を練る。(アニメ映画『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のwikipedia・公式サイト等参照)


和風なバイオハザードととも称される本作。
「死んでも生きろ」「貫け、鋼の心を」のキャッチコピーを
引っさげて完全新作の劇場版となって帰ってきました。

最近はアニメ→映画の流れが多くなりつつあり、
今年もユーフォ、ルルーシュ、サイコパスと
いろいろ見に行っておりますが、劇場版の評価は総じて高いようですね。
まとまりのある話をしっかりと期間をかけて映画として制作するからでしょうか。
今後もゆるキャン、ヴァイオレットエヴァーガーデン、バンドリのように映画化を発表する作品は多くなっていくのでしょう。


さて今回のストーリーは、日本海に面する人類の要所「海門駅」が舞台。
陽光の表現や、まるで某立体機動アニメの戦闘を見ているかのような
爽快で切れ味の良い戦闘シーンは劇場ならではの迫力があります。
無名のクイックな流れるようなカバネりとの戦いはお金を出してでも
見る価値があります。

生駒のウザさも劇場版ではマシになっており、80分という短い中で
多くのキャラにスポットがしっかり当てられていて、鼻呼吸を忘れて
しまうほど作品に見入ってしまいました。

「和」な雰囲気が好きな僕にとっては至福の映画でした。

雪で始まり雪で終わる。
雪解けのあとには桜の季節。
そこにかかるEGOISTの和テイストの主題歌。

生駒や無名たちの新たな幕開けをぜひ劇場で。


とはいうものの、劇場版は2週間限定公開のようですね。
(僕が見に行った映画館ではそうでした)
カバネりの良さを広めようと思ったのですが、広める頃には
公開が終了してしまっていそうで残念です。。

また、本編では無名と生駒とのカップリングを含め
主要キャラの様々な色恋?沙汰も描かれています。
今回の話的にそういった要素はあまり主眼にはなさそうですが、
いずれアニメ続編とかが決まった時に何かと進展していきそうですね。

戦闘シーンにアレンジしたカバネりEDをぶっ込んでくる
澤野弘之節に心震わせられました。(もう毎年映画やって欲しい)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

61.5 4 怪物でオリジナルアニメーションなアニメランキング4位
センコロール(アニメ映画)

2009年8月22日
★★★★☆ 3.6 (143)
733人が棚に入れました
奇妙な生物「センコ」を飼う少年・テツと、同じような生物を飼う少年・シュウとの間でモンスター同士の戦いが起こる。テツの秘密を知った同級生の少女・ユキはその戦いに巻き込まれる。

声優・キャラクター
花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美

CountZero さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

絶妙なキモかわ具合がセンスいいんです。

宇木敦哉さんの個人制作作品です。

私は宇木さんのイラストが大好きなので(ミクのイラストもかわいいのでサムネイルに使わせていただいてます)それだけで満足なんですけど、それではレヴューにならないので少しおすすめポイントをご紹介します。

まず短編なので、最初から最後まで多くの情報は与えれませんが、いかにも日本人クリエイターらしい感性で、キモかわいい怪獣が出てきます。
その怪獣を使って他の怪獣とバトルというのが、ざっくりとした流れですが、そんな非常識かつ非日常な世界観も、宇木さんによるちょっと緩めなラインの作画で描かれると、なんか自然です。
展開のテンポは小気味よく、それに合わせて分かってくるストーリーの全体像の様子もすごく自然で、若き監督の素晴らしい手腕が見え隠れします。

そして、何と言っても主題歌をボカロコンポーザーとして超有名な、あにこれ的には化物語のED曲で有名なsupercellのryoさんが担当しています。
この最高なコラボはお勧めです。
センコロールのED曲の「LOVE&ROLL」は化物語の「君の知らない物語」のカップリング曲となっていますが、この曲はとてもキャッチーでカッコかわいいです。

ジャパニーズクリエイターのレベルの高さを感じるこの作品は、短編好きにはもちろんですが、センスの良い作品を探している方にもお勧めです。

そう言えば「センコロール2」の予定もあるみたいなんですけど、いつになるのかなあ?
のんびり楽しみにしたいと思います。


【2014.4.1 追記!】

来たよ!来たよ!
センコロール2の公開予告が!
続編を待つ事何年?
宇木監督焦らしすぎ〜。
ようやく今年の夏に公開するようです。
公式サイトで予告PVを観ましたが、新キャラいろいろ出てましたね。
もちろん音楽も引き続きsupercellのryoさん!
サイト観るだけでも相変わらずのセンスの良さがびしびしです。
あ〜もうっっ楽しみすぎです(笑)

まだセンコ1観てないなら、すぐ観ましょ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

raharu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

センスの塊のような作品!2にも期待してます♪

謎の白い生物のセンコと脱力系主人公テツ、
そして2人?の秘密を知ってしまったユキの
学園系多少バトルもあるよアニメです。

作画は現在「つり球」でもおなじみの宇木敦哉さんですね。
きっとキャラをみてもらえればあぁー確かに。
と思うのではないでしょうか?

そして音楽はsupercellで化物語のED「君の知らない物語」の
カップリングで入っていた「LOVE & ROLL」です!
いま考えるとこのシングル最高の2曲が入ってるますね。
「君の知らない物語」しか聞いたことない方はぜひこちらも聞いてほしいです。

作品も30分とショートムービーの短さなので
気軽に見れると思います。
敵デザインなんかはガイナックスを彷彿とさせますが、個人的に大好きです。

作画、音楽、そしてストーリーが短いけどうまくまとめられています。
センスがいっぱい詰まった良作だと思いますので、是非お勧めいたします!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

sunspot29 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

センコかわいい

謎の怪物を操るテツと、ユキちゃんの物語です。

センコがとにかくかわいいです。操りたいです。
宇木さんが全て作画しています。作画素晴らしいです。きれいです。
戦闘シーン燃えます。武器がマニアックです。
最後のユキちゃんがボコるシーンも好きです。

ストーリーは謎だらけです。
なんかかわいい変身する生き物と光学迷彩もった生き物とワープができるおっきい生き物ってことはわかるのでこの段階ではじゅうぶんな気はします。
怪物の出所や、なぜこの生き物がいるのかとか、細かい説明はすっとばしています。
まとまってはいますが、これからまだ何か起こりそうなところで終わってしまいます。

なので2がまちどおしいです。すごく楽しみです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

68.1 5 怪物でオリジナルアニメーションなアニメランキング5位
UNDER THE DOG Jumbled(アニメ映画)

2018年6月23日
★★★★☆ 3.6 (18)
135人が棚に入れました
国連管轄の特殊部隊「フラワーズ」。そのナンバー06である「冬月ハナ」は、ある任務の遂行の為、江の島のとある公立高校に転入する。任務対象は、クラスメイトの「七瀬俊一」。ハナが俊一に接近を図る頃、時を同じくしてある中年男性がその高校に俊一を訪ねてやってくる。さらにその中年男性を追うようにして、在日米軍までもがハナと俊一のいる高校へと進出を開始。急速に戦場のきな臭い匂いが漂い始める中、さらに一人の少女が彼の地へと向かっていた。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【フラワーズは必ず全滅する】

『428〜封鎖された渋谷で〜』で知られるゲームクリエイターのイシイジロウと『CANAAN』『花咲くいろは』『天狼Sirius the Jaeger』の安藤真裕監督が2014年にアメリカのOTACONで発表したプロジェクトを発端に、当時Kickstarter(アメリカのクラウドファンディング)で『リトルウィッチアカデミア』の$62万5518を超えて、アニメとしては史上最高額の$87万8028を集めて制作された作品


原作自体は1996年に既に書いていたとのことで、少々古臭さが残るものの、『LEON』のマチルダを意識したようなあどけなさが残る少女が銃器を手に取り死闘を繰り広げるというバイオレンスアクション作品です


30分のアニメ作品『UNDER THE DOG Episode 0』自体は2015年12月には完成し、出資者へのリワード品として配布されました
その後、今作の劇場公開や主題歌制作の為の第2弾クラウドファンディングが2017年10月に発表され、2018年6月に満を持して国内の劇場での一般公開となりました


劇場公開された『UNDER THE DOG Jumbled』では、短篇ギャグアニメ『アンシアちゃん』と真の主人公であるアンシアの人物像を掘り下げる実写モノローグ『Overture to UNDER THE DOG』と『UNDER THE DOG Episode 0』本編、そしてアンシアを演じる瀬戸麻沙美による主題歌がセットになって約50分の作品として公開され、数量限定でブルーレイも劇場と通販で発売
ちなみにBD版では『Overture to UNDER THE DOG』の中で劇場版ではカットされてしまったくだりが収録されいるので、より世界観への理解を深めたい方はBD版も手に取ることをオススメします


























さて、前置きがだいぶ長くなってしまいました;


東京オリンピックが大規模テロで中止され、軍事的規制が強化された2025年の日本が舞台
特殊な能力を有する年端も行かぬ少女達だけで構成された国連の特殊部隊である「フラワーズ」通称:Under the dog(負け犬部隊)に所属する、普段は普通の女子高生である冬月ハナ
ハナは家族を人質に取られ、危険で汚れた任務を任されることとなる
ハナの今回の任務は同級生の中にいるフラワーズの様な能力者達の解放の鍵を握る少年を保護することだった
しかし別のターゲットを狙ってなんと米軍タスクフォースの介入が始まってしまう
やがてターゲットは能力の暴走によって「パンドラ」と呼ばれる怪物に豹変、一瞬にして戦場と化す校舎
ハナは一縷の望みを託す少年を必死に守る為、銃を手に血生臭い死闘を繰り広げていくのだが…


『KITE』『ノワール』『GUNSLINGER GIRL』『Phantom』といった作品はアメリカでは「ガン&ガールズ」と呼ばれ一定の人気がある様です
クラウドファンディングでの結果がそれを示しています
今作、最も力を入れてるのはやはりガンアクション、というかミリタリーアクションシークエンスです
タスクフォースの無駄の無い動き、HK416やM4A1といったリアルな実銃、ブラックホークやアパッチからの支援射撃、SF要素を多く持ちながらもとかく軍事考証が良く出来てます
『ブラックホークダウン』とか『トランスフォーマー』の実写映画とか好きな人には特にオススメです
また、実写モノローグを絡めた辺りも含めて押井守監督作品からの影響をだいぶ感じます


ところがこの作品、アメリカ映画ならば【どう生き抜くか?】を描くところなのですが、イシイジロウ氏も言うとおり、【どう死ぬのか?】を描いた作品と言えるでしょう


タスクフォースやパンドラといった強敵に対し、いくら並外れた才能と異能力を持ち合わせていようとも、ハナ1人では到底生き残れない過酷過ぎる状況
やがて力尽きてしまうハナを見届ける真の主人公アンシアのゴーグルに映ったハナに表示された「Pandoralization」というゲージ
アンシアに危惧される「ゲノムハザード」「パンドラ化」という状態を示す言葉
クライマックスでアンシア自身に見受けられるパンドラと同じ身体的特徴


つまりコレですね…フラワーズはいつか必ずパンドラ化してしまう日がやってくる…そして人質にされた家族もまず助かることは無い…という悲劇的結末が既に暗示されているんです


そのことがわかる文言は『Overture to UNDER THE DOG』の中にも登場していて、アンシアはこの中で自身を日本の桜に例えています
桜は枯れない花、であると同時に、全て散るという特徴を持っています
醜いパンドラの姿になるのではなく、散り様、つまり美しい死に様をアンシアやフラワーズは今後も模索していくことになるのです


もちろん、今作でハナが守り抜いた少年が作中で「希望」と呼ばれていた様に、フラワーズにも何らかの救いが残されている可能性も無きにしも非ず
しかし少女の家族を人質に取って人殺しを強要するような組織が真実を謳っているとは到底思えませんね、僕は
果たして真実とは何なのか、このシリーズは『Episode 0』と題されている通り、人気によっては今後の展開が期待されるところであります


“フラワーズが全員死ぬその日まで”けみかけは『UNDER THE DOG』を応援し続けます

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

せめて艶やかな死を…。

この作品は、友人からの勧めで視聴に至りました。
少しググってみると、アメリカのクラウドファンディングにおいて当時歴代最高出資額を集めた作品なんだそうです。
日本でも、最近放送された「Dies irae」や、募集開始から僅か5時間で目標金額を達成した「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」などクラウドファンディングを利用したアニメが制作されています。
こんな事を調べていたら、こんな記事を見つけました。

『発売10周年を迎える「リトルバスターズ!」 そのスピンオフ企画「クドわふたー」は同一の世界観を元にした“if”の物語です。』
何と目標金額3,000万円に対して、7,800万円もの支援があったそうではありませんか。
元々20分のOVAの制作で出資を募った結果、支援金が6,000万円を超過して劇場版アニメに昇華したんです。
しかも、制作スタッフから6,000万円を超過した支援金は、必要経費を除き全て本編のクオリティアップに使用するとの約束付き…
2019年の秋に劇場でクドに会えるそうです…

個人的な意見ですが、このクラウドファンディングは作り手と支援者との間に一体感を醸成できるシステムなのだと思います。
今回の場合も支援者の方々の力添えが無ければ劇場公開は実現できなかった訳ですから…
支援者だからこそ感じられる誇りや自負だってゼロじゃないと思います。

クドの姿を見て勝手に盛り上がってしまい、レビューから思い切り逸れてしまいました^^;

Under the Dogの主人公…
完走して振り返ってみると主人公って誰だったんでしょう…
確かに主人公らしき人は登場します。
国連管轄の特殊能力を持つフラワーズと呼ばれる7人の子供たち…そのナンバー06である冬月ハナは任務遂行のため、とある高校に転入するところから物語が始まります。

何故フラワーズの一員となったのか…
物語では触れられていませんが、フラワーズに入る前に相当な葛藤があったことだけは推察できます。
何故ならフラワーズの一員として背負った十字架があまりにも重たすぎるから…
確かな事は、フラワーズに入ったら全力全開以外は許されないということ…

ハナは命令を忠実に実行しようとします。
そんな健気な女子高生と対峙するのは、火力と数の暴力の数々…
女子高生一人を相手にたくさんの戦車やヘリコプターが容赦なく弾丸を打ち込んでくるんです。
正にこれが壮絶と言わんばかりの展開と言わず何と言うのでしょう…

フラワーズのメンバーは他にも登場します。
ハナ以外のメンバーも凡そ特殊な能力を持っているのが分かります。
ですが、その能力は戦闘に特化しているかと問われると正直分かりません。
もっと日常の…普段の生活に僅かばかりですが彩りを与えてくれる能力なのかもしれません。

満身創痍でも引き金を引き続けるハナ…彼女が口にする台詞は「まだやれる…」
どこまでも残酷で救いの無い作品…だったのではないでしょうか。

テーマソングは瀬戸麻沙美さんの「少女たちのメロディ」
深いピアノの調べと切ない歌詞とメロディが印象的な曲でした。

物語は序盤で終わった…という感が強いです。
これまでの様々な投入が決して無駄ではなかった事を証明するためにも続編の制作を希望します。
そしてこの作品を勧めてくれた友人に改めて感謝したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12
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